何度でも”花”を咲かせる

ある患者さんと過ごした
桜が満開の時のお話です♪
この患者さんのリハビリでは
いつも屋外を一緒に散歩します。
木々に囲まれた道や
小川を通り
最後に
桜並木が広がる道で足をとめて
お話をします。
この時はちょうど桜が満開でした🌸
「桜、綺麗ですね」
と僕が声をかけると
『そうですね
この桜を沢山植えて
花見をはじめた
最初の人は誰だか分かりますか?』
「え〜っと誰でしょうね」
『江戸幕府8代将軍なんですよ。
彼は庶民に
花見をはじめさせた人なんです。』
「そうなんですね。
素晴らしい人ですね。
江戸幕府8代将軍って誰でしたっけ?」
『暴れん坊将軍ですよ♪
つまり
"花見を日本の文化にしたのは
徳川吉宗なんですよ"』
「暴れん坊将軍は
小さい頃テレビでよく観てましたよ!
凄いですね
彼が今も続く
日本の素晴らしい文化を
つくってくれたんですね』
『そうです。
今日はこれを
あなたに伝えられてよかった。』
そう言ってニッコリと
微笑んで下さいました(^^)
実は…
この会話はすでに
50回以上行っています。
彼はある病気で
記憶が維持できないのです。
ここを離れると
この会話を忘れてしまいます。
いつも
この患者さんと
ここに来る時は
今は桜が青々としていても
一からこの会話をはじめます。
何度も何度も
コレを重ねてきました。
でも僕が思うのは
"時が止まっても幸せならそれでいい"
日本人が
数百年の間
花見を続けてきたように
僕もこの患者さんと一緒に
この場所に来て
何度でもこの幸せな会話に
花を咲かせ続けたいと思います🌸
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