他者と自分を納得させるもの~世界を変えるかもしれない一つの論文~

他者と自分を納得させるもの

お若い頃に"研究"に
没頭されていた
70代男性の患者(利用者)さんの
お話になります♪

その日訪問すると
『僕は昔"あること"を発見したんだよ!』
と仰られました。
「"あること"ですか?」
と、お聞きすると
『そうなんだ!
"筋ジストロフィーの治療法"
なんだけどね。』
と、仰られたので
「指定難病の
"筋ジストロフィー"ですか?」
と、再びお聞きすると
うん、とゆっくり深く頷かれました。
「それって、凄い事ですよね🧐」
と、目を輝かせながらお伝えすると
『でもね、
その治療法は採用されなかったんだよ❗️』
と、仰られ少し遠くの方を見ながら
『僕は、変わった人間だから
当時の学会で
"大学のお偉い様方"を
納得させることができなかったんだ…。』
と、少し悲しそうに仰られました。
「その時の論文ってまだあるんですか?」
とお聞きすると
患者さんが
机の引き出しから紙の束を取り出し
手渡して頂きました。

その"論文"を読むと
今、教科書に載っている
"筋ジストロフィー"の病態とは
全く違う考察が書かれていました。
それを簡単に読み終え
「この論文が採用されていたら
現在と何かが
違っていたかもしれませんね☝️」
そうお伝えすると
『ありがとう❗️
それは最高の褒め言葉だよ♪』
と仰られニッコリされました😁
続けて
『科学はね、他者を納得させる
材料でしかないんだよ。
そのために
合理的かつ信頼のおける
科学はピッタリなんだ。
基本的に人間1人の
信用なんてないに等しいから
それを提示して納得させる。

僕はそれができなかったけれど…。

じゃあ、
自分を納得させるには
どうしたらいいと思う?』
と、仰られたので
ん〜〜っと考えていると
『ただ一つそれは"わがまま"だよ。
それは非合理的かつ感情的なことなんだ。』
と、仰られたので
「それは例えば
どういったことでしょうか?」
と、お聞きすると
『僕であれば
学会で、世界で
この論文が認められることだった。
有名になりたかった。
凄いと言われたかった。』
そう仰られたので
「なるほど、
今はご自分を
納得させる事ができたのですか?」
と、お聞きすると
『今はね、朝起きて
奥さんと
砂糖をたっぷり入れた
コーヒーを飲みながら
孫の話をすることが
それに値するかな☝️
小さな"わがまま"だね。
そして
今日君という人間を
納得させられた気がしたから
今大いに自分が納得しているよ❗️
ありがとう✨』
そう仰られたので
「はい❗️」
とお返事をしつつ
自分を納得させる"わがまま"
ってなんだろうか…。

そう考えただけで
自分に正直になれた気がしました^ – ^

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